近所のスーパーに「産直コーナー」がある。
私は東京都内住みだが、このへんには都市近郊農業というやつをやっている農家があって、その農家の作物が持ち込まれるのだ。
ちと土がついていたり少々形が歪だったりもするが、安くて新鮮で旨いので愛用している。
先日、その産直コーナーでシシトウを見つけた。
私はシシトウがかなり好きなので、さっそく購入。フライパンでごま油でちゃっちゃと炒めて塩を振ってがぶり、、、あーーーーーー!!!
大辛であった。
辛いものが苦手な私は涙目になり、汗をだらだら流してのたうち回った。アタリである。「まあ、これはこれで、運だからなあ」と思い、次のやつをがぶり、、、、あーーーーー!!!!
で、わかったのだった。これはシシトウではないのではないか。ただの青唐辛子ではないか。食えるか、こんなもん。
おおかた、スーパーの粗忽な生鮮係が、商品シールを張り間違えたのであろう。
怒りに震えたが、ま、そこは私は大人である。誰にでもミスはあるのだ。いちいち、店舗に怒鳴り込むような、勘違いモンスター顧客ではない。単に運がなかったのだ。
で、昨日。またシシトウを見つけた。
こりずに、さっそく購入。フライパンでごま油でちゃっちゃと炒めて塩を振ってがぶり、、、あーーーーーー!!!
大辛であった。
辛いものが苦手な私は涙目になり、汗をだらだら流してのたうち回った。アタリである。「まあ、これはこれで、運だからなあ」と思い、次のやつをがぶり、、、、あーーーーー!!!!
で、わかったのだった。これはシシトウではないのではないか。ただの青唐辛子ではないか。食えるか、こんなもん。
で、思ったのである。なにか、おかしい。
私がタイムリープしたわけではないだろう。2回連続、シシトウと青唐辛子の取り違え?いや、待てよ。産直コーナーには、シシトウのほかに「青唐辛子」もあって、きちんと分けて置いてあったのだ。
ひょっとすると、それが答えではないかと思った。
つまり、である。
この農家は、ちゃんとシシトウと青唐辛子の苗をそれぞれの畑に植えたのであろう。しかし、その畑は、たぶん隣り合うくらいに近かった。そのため、青唐辛子の花粉でシシトウが受粉してしまったのではないか。
実は、シシトウのご先祖様は青唐辛子で、その中で辛くないやつを選び出したのがシシトウなのだが、こいつが青唐辛子と交雑すると、あっさり先祖がえりしてしまい、もとの凶悪なる青唐辛子に戻るという性質がある。
かくて「先祖がえり」したシシトウが大量にできてしまった。農家は、それをシシトウ畑の収穫物なので、単純にシシトウとして出荷してしまったのではないかと。
まあ、そんなシャーロックホームズの真似はどうでもいいのだ。
私は、とても手が出せないシシトウを前にして、途方に暮れるだけだったのだ。