Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

なぜ劣化したかを勝手に考察する

昨日のソフバン固定電話障害は、なんとかお昼には解消して、ユーザーには平謝りをしてことなきを得た状態。今年、親会社から業務を引き継いだばかりですから、ここで障害はイメージが悪い。生きた心地もしませんでした。

 

それにしても。最近、通信網の障害が多いのですね。

その前にはpaypayの決済サービスが止まったし(これもソフバン)その前にはJRのクレジットカード決済が停止、その前は大規模な都市銀ATM。立て続け、という感じであります。

もちろん、昔から広域通信網障害はあったのですが、こんなに連続するのはなかったと記憶しております。

 

原因は色々あるのでしょうが、一言でいえば「網の維持に関するコスト削減のしわ寄せ」ではないかと思いますね。

通信網というのは「動いて当たり前」の世界なので、その質は障害時にならないとわからない。対障害性というのは、通信網の冗長化で決まるので、簡単に言うと「ふだんは何も役に立たないが、網に余力を持たせて二重化しておく」ことに尽きるわけです。

で、冗長化したからといって網の性能が上がるわけでもないし、だからといってお客が倍の料金を払ってくれるか?といえば、そんなことはないわけですね。それでも、いざ障害が発生すると、影響が大きいので、昔のNTTはじめとする大企業は「まあ、それも仕方なかろう」という太っ腹でそういう一見すると無駄金と思えるカネを出していたわけです。

しかし、世の中がだんだん貧しくなり、何よりもコスパが優先されると「なんだ、この無駄金は?」となるわけです。こんなカネは、何も収益性に結びつかないではないか、厳しくコストを精査して削減すべし。こんな意見が出てくるようになる。で、ハイハイと上の言う事を聞くだけの人が出世しておりますので、経営の方針である、とっとと削減しろとなる。かくて、冗長度は下がり、ついでに保守人員にも全員派遣になってしまい、なんならその人員も「余計なコスト」だというので削減されて、いざコトが起きた時には何もわからない連中が寒いサーバの前で途方に暮れるという仕儀になる。見てきたようなことを言うな、とお叱りを受けるでしょうが、私もこの世界で長く生きてきたので、そんな風景を嫌というほど見てきたわけですよ。規模の大小は問わず、だいたい、そんなものに相違ないだろ、と思っております。

 

インフラというのは、それ単体ではお金を産まないもので、それを活用して初めてお金を生むのですが、短期的な収益に目が行くようになると、その活用には関心があっても(お金を生みますからね)維持には関心が向かない(直接にはお金を産まない)。

これ、なんだか、我が国の経済が長く低迷を続けている理由とかぶるような気がしています。みんな、目先のカネをどう儲けるか、そればかりを考えている。それじゃあ、儲からないです、特に日本みたいな国は。中韓みたいな、過去の積み上げがない国は、短期的な方針に割り切ったほうが良いのでしょうが、日本でそれをやってもな、、、と思うのですよ。

今からでも、少しは考え直したほうが良いのだが、そんな人は出世しないしなあ、、、と思っております。