Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

体質というもの

ダイハツの認証不正問題が報道されて、大規模な不正がなんと30年にもわたってつづいていたことに驚いた。ダイハツユーザーさんは、さぞ憤慨されているであろうと思う。

この会見を見ながら、普通は社長は引責辞任だよなと思っていたら、とりあえずその気はないらしい。再発防止をもって責任とするというが、再発防止は当たり前であって、責任をとることにはならないだろうと思った。社長はトヨタから来ている人なので、よく親会社がこれを許すなと思っていたら、本日トヨタ株も大幅下落。投資家も呆れたのだろうか。

ふと思ったのは、こういう不正が30年間続くというのは、もはや「体質」企業文化になってしまっているんだろうな、ということだった。

先般の日大アメフト部の問題とも通じるのだが、わかりやすく言うと「不正を行った一部の人」以外に「不正を知っていたけど、見て見ぬふりをしていた多数の人」の支えがあった(苦笑)ということなのである。こうなると「一部の人の問題」ではなくて「体質の問題」になる。

言うまでもないですが、こういう不正を見て口をつぐんでいるのは、自分に不利益が及ぶかもしれない、というおそれがあるからである。なんだ、あいつ、一人で良い子ぶりやがって。ガキじゃあるまいし、へんな正義感を振り回すなよ、空気読めよ、みんなが迷惑するじゃん。。。

で、周囲にハブられて出世も遅れてそのうちリストラ対象になる危険もあるので、知らないことにしていたほうが正解だとなる。体育会系の上意下達というか、サラリーマンの打算というか。

でもね。それは仕方がないと思うのである。だって、そこでリスクをとるやつは、そもそもサラリーマンにならない。リスクがコワイから、サラリーマンになったのである。

一時期、社内ベンチャーなどという言葉が流行ったけど、ほとんど失敗した。当たり前である。ベンチャー精神というのは、つまりは危険を顧みず利益を取りに行くから成立しているのであって、危険なく利益を取るには打算が必要であり、リスクを回避しなければいけない。だって、サラリーマンだもん。で、成功しないけど、とにかくひどく非難はされない無難な案を、さもチャレンジングなことをしているかのように社内プレゼンできるサラリーマンが重用される、まあそれだけの話である。

 

私が知っている経営者は、つまるところ、やばくなるとさっさとケンカを買って出る人間ばかりだ。危ない場面になるとイキイキする人間は、サラリーマンは逆に務まらない。そうでない経営者が、みんな消えた。

 

ダイハツも、サラリーマンの会社なのだ。程度の差はあれ、会社は大きくなると、みんなサラリーマンの会社になる。そのために、みんな、難しい大学を突破してきたのである。なるべく、リスクを取らないで、利益を享受できるように。そう、みんな賢いのだよ。。。