連続企業爆破事件。私が小学生の頃だと思うが、連日、新聞テレビで大きく報道され、世間を揺るがせた事件だ。
何人かの犯人が逮捕されたが、ずっと逃亡中の者もいて、交番にずっと手配写真が張り出してあった。
桐島聡容疑者。
偽名で入院中の病院で「俺が桐島だ」と名乗り、警察の捜査の対象となったが、すでに昏睡状態が訪れていたところ、今朝ほど、死亡したそうである。
実に半世紀の逃亡劇は、ここに幕をおろした。
本人の「桐島」という自白も、本当かどうかの検証はこれからである。すでに半世紀が経っており、その人相も昔日の面影はないそうなので、本人確認には時間がかかる。
それにしても、神奈川に潜伏していたとは。。。一説には、すでに海外に逃亡とも言われていたが、さすがに信頼の神奈川県警(苦笑)。
ちなみに、すでに逮捕されて服役中の他の犯人メンバー達であるが、いまだに再審請求を獄中から繰り返しており、誰一人「反省の色はない」そうだ。
世間的にはテロ事件の犯人であるが、本人たちの中では政治犯。そのギャップは大きい。
人間にとって最も難しいのは、自分を客観視することである。「話せばわかる」は、しばしば成立しないのだ。
桐島の勝利宣言も、偽名で保険証も使えず運転免許証も作れず、路上で末期がんで倒れた末の顛末であれば、これは勝利というよりも、ただの行倒れに等しくはないかと思うのである。
その彼我の認識の違いに、半世紀の歳月が横たわっている。
何を言っても、絶対に届かない彼方に桐島は消えたのである。