Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

これからの縮図

能登半島地震の被害は、おそらく、これから厳しくなる寒さによってさらに拡大すると思う。避難している人たちに、充分な住環境がなく寒い床に雑魚寝という状況が続くであろうと思うからだ。北陸の半島で、ただでさえ細い道路が寸断されているので、なかなか復興も進まない。

 

おおくの犠牲者が家屋倒壊ために発生したが、これには理由があると思われる。ことに被害の大きかった珠洲市の高齢化率は50%を超えている。高齢化率とは、人口に占める65歳以上の人の割合で、高齢化社会とはこの数字が7%、超高齢化社会で21%を超えるとそういわれる。50%越えは異次元であるが、これが地方の現実だ。

現地のニュースを見ていたら、ある住民がこう話していた。

「家がもう危ないとは思っていた。しかし、子供も都会に出て、もう戻ってこない。自分たちの代でおしまいと思ったら、わざわざお金をかけて直そうとは思わなかった」と。これが、被害が拡大した要因であると思う。

 

そして、それは復興についても言えるであろうと思う。今回の復興に向けた足取りは、東日本大震災のときと比べても、あきらかに遅いと思う。原発が絡んでいないのでカネが出ないということがあると思われるが、もう一つは、仮にカネをかけて復興させても、高齢化率50%越えの自治体でそのカネを回収できるか、という問題だろうと思う。今後の税収で、それを挽回する未来が描けるとは思えない。

 

日本全体の高齢化率で、すでに29%である。

日本全体が超高齢化社会なのである。そういう社会が災害に対してどうなのか?それを教えてくれたのが、今回の能登半島地震ではないかと思う。

能登半島は、我々の社会の縮図である。