Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2期連続マイナス

昨日、日本のGDPがドイツに抜かれて世界4位に転落したことについて、現地生産の数字が反映されないGDPをそんなに重視する必要はないのではないか、と書いた。

それよりも、私が注目したのは、こっちである。

 

www.bloomberg.co.jp

昨年の第4四半期の実質GDPがマイナスだったので、2期連続のマイナスとなった、という記事。重要なのは、市場予測はプラスだったことだ。つまり「景気は回復に向かっている」という観測だったのであり、それを受けて日銀は「正常化へ」という発言が相次いだ。マイナス金利をそろそろやめる、という意味である。現在、日本円は絶賛円安バーゲン中なのであるが、それはドルもユーロも金利を上げているのに、日本円だけがマイナス金利を続けているので、その金利差で為替が引っ張られるからである。さすがにまずいのではないかというので、日銀はそろそろ正常化しようとしていたわけだが、それに冷や水を浴びせるデータが出てきたわけだ。国内の需要は相変わらず弱いままであった。

そうなると、ここで金利を上げられるのか?という疑問が当然でてくる。このニュースを見た外国勢はいっせいに円売りをしかけて、ドル円レートはたちまち下落。日銀が「口先介入」するという始末になった。ほんとうに介入するかもしれない。

ご存じのように、物価高が続く一方で、賃金上昇がまったく追いついていないので、いわゆるスタグフレーションになってしまっているのである。折り悪くウクライナ戦争が起きて資源高がつづく一方で、景気が回復しないのでマイナス金利を続けているので、ますます物価高になる。それを見て、賃金が上がらない消費者が財布のひもを締めるわけだから、そりゃスタグフレーションになるわけだ。

何しろ、もともとマイナス金利なので、それ以上アクセルを踏むことができない。すでにベタ踏みしているわけだから、もう余地がないのである。

アベノミクスの問題点として、金融政策の底まで有り金をはたく作戦だったので、それ以上の手が打てないということがあったのだが、それがもろに出ているわけだ。どんな政策も、いつも常に正しい政策などは存在しない。「その時、その局面で正しい」政策があるだけである。アベノミクスによっても景気は回復せず、すでに金利は下げきっており、「次の手」がない。2期連続マイナスでも、これ以上のアクセルはないのだ。じっと我慢して、回復を待つほかない。

よって、しばらく日銀も動けない。岸田政権ともども「金縛り」にあってしまったのが、現在の日本経済の姿である。ま、アタマを低くして、じっと嵐が過ぎ去るのを待つ、、、さんざんやってきたことですが、しばらく、続けるほかなさそうですな。。。