Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

モノ言う株主は、それを聞いたら株主じゃなくなる人のことだろう

サッポロホールディングスの有力株主(投資ファンド、というやつですな)が、「ビール事業の低収益性を放置した」として、保有不動産の売却を求めているそうだ。恵比寿ガーデンプレイスや銀座に自社物件があるからだそうだ。

 

この話だが、まったく意味が分からない。おそらく、投資ファンドの言い分としては「低収益のビール事業を放置して株主に損害を与えたのだから、そのぶんのカネを返せ」というロジックなのだろうが、それはおかしい。それは、金貸しであれば、わかる。しかし、株主というものは、場合によっては損失を出すこともあるので、収益が義務ではないだろ?損害じゃない、機会損失というべきかもしれないが、それだって「あと知恵」である。結果がでたあとで、不満なら経営陣を刷新するべきで、その権利はあるはずだ。

 

実は、この話には裏がある。サッポロホールディングスの利益の三分の一は、この不動産事業で稼ぎだしているのだ。つまり、仮に不動産を売れば、その年は特別利益を計上して、場合によっては配当も増えるかもしれない。しかし、翌年以降は間違いなく利益減である。サッポロのビールシェアは、アサヒ、キリン、サントリーに続いて4位で、国内レッドオーシャン事業で増益を出すのは難しいであろう。早い話が「今あるカネをつかんで逃げる」前提での提案だとしか思えないわけだ。

 

私がもしも株主なら、逆の提案をすると思う。ビール事業を売却するのである。サントリーがビールで利益のでるまで、いくらのカネを突っ込んだか想像もできないが、同じことをサッポロにできるはずがない。国内4位のシェアでは苦しいに決まっている。買い手がつくうちに売ってしまい、むしろ長期的に利益の見込める不動産事業に集中してはどうか?長期利益体質の企業となって、業績は安定するだろう。株価も安定する。ただし、値動きが乏しくなるから、投資ファンドが好きな銘柄ではなくなる(笑)結構な話じゃないかと思うのである。

 

まあ、一言でいえば、タイトル通り。

物言う株主」などと言いますが、そいつらの言い分を聞いた途端に、そいつらは赤の他人である。株主ではなくなるのだ。そんなものを聞いても仕方がないと思うのだがなあ。