暴力問題で謹慎していた日本ハムファイターズの中田翔選手。本日、巨人への電撃トレードが発表された。無償トレードだそうなので、本当に中田選手を再出発させるためのトレードということになる。
今まで、四番バッターとして貢献したので、温情をかけられたんだろう。
それにしても、ここで中田翔選手をとるのは、さすが原監督は肝が座っている。
野球選手にしろ、芸能人にしろ、もちろん一般人もだが。
日本という国は、再出発に対して決して暖かい国ではない。事業で一度失敗すると、まず再起は難しいし、前科がつけば再就職も困難である。
不祥事で消えた有名人は数多い。不倫や闇営業など、理由は様々ですが。
私見であるが、再出発に一番効果的なのは昔から「環境を変える」ことであろうと思う。
何か問題を起こした人が故郷を離れ、別の地で生業を見出すのはよくあるパターンだ。
やっぱり、問題を起こした当時の相手とか、その関係者がたくさんいる状態だと、再起は難しいと思う。「そう簡単には許さん」という気持ちがあるし、それは周囲に伝わるからだ。それは当然である。
当然なので、周囲も同じように考える。
その結果、再出発が困難になる。誰が悪いというのでもなく、あえていえば悪いのは「やらかした本人」なのであるから「そんなのは甘受しろ」ということになるのだが、そういう厳しい状況でヘタレる人物なのでやらかした、とも言えるのである。
ハッキリ言うが、人間そんなに変わるもんではない。
最悪だと、同じ失敗をなんどもやらかす人間になったりする。
すごくドライにいえば、再出発とは「再出発できた日常」を生きることだ。心のうちは本人にしかわからないこと。
中田選手の例でいれば、日本ハムというチームにいれば被害者の選手もいるし、長年主力選手としてチームの中でやってきたことを周囲もよく知っている。
これで再出発と言っても、何も環境が変わっていない。
これでは厳しいだろうと思うのである。
だから、トレードは正しい措置なのだと思う。
もちろん、トレードしたから成功ではない。
そもそも、中田選手が事件を起こしたのは、今年の成績が振るわず、本人なりのストレスとプレッシャーがあったことは容易に想像できる。腰痛の症状もあった。
移籍した巨人で、ちゃんと居場所を確保して、はじめて再出発が成功したということになるだろう。
中田翔選手が再起できることを祈っている。