Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2010-01-01から1年間の記事一覧

2050年は江戸時代

「2050年は江戸時代」石川英輔。近未来の話を書いた、いわゆるSFである。けっして怪しげな予言本ではない。石油が乏しくなってきた世界で燃料費が高騰、日本得意の自動車も売れなくなる。電化製品も、電気代が高くなると売れなくなる。我々が「高度な文明」…

天皇制批判の常識

「天皇制批判の常識」小谷野敦。天皇制批判の言説を概括し、それに批判を加えていきつつ、最後に残ったものは「差別はいけない」というシンプルな原則だった。これは民主主義の原則でもあるわけで、この原則をふまえる限り、天皇制は批判を免れない、という…

歎異抄

「歎異抄」親鸞、川村湊による現代語訳(光文社古典新訳文庫)。あまりに有名な本であるが、未読であった。古文をそのまますらすらと読めるほどの見識がないのである(泣)しかし、この本は読みやすかった。なにしろ、現代語訳でしかも「関西弁」なんである…

祖母逝く

突然、祖母が逝った。満九十九歳、数えでは百一歳だった。土曜日に、苦しみはじめたと電話があり、それからすぐ。苦痛が少なくて済んだのは幸いであったと思う。帰省して、葬儀に出た。トラックバック先のnaznaさんがご指摘のとおり、葬式は「葬儀社教」なる…

雪殺人事件

「雪殺人事件」スジャータ・マッシー。来日して日本企業の英会話教室の教師として働いている日系二世のアメリカ人、シムラ・レイが主人公。彼女は、日本アルプスのシロヤマという温泉地に観光に来る。そこで、偶然行き会った日本人グループとスコットランド…

自己評価が低い

私は、自己評価が低い。これは、今の世の中では、とてもイケナイことなのである。なにしろ、自己評価が低いということは、それだけで停滞なので、常に勝ち続けなければならない現代社会において、明らかにマイナスなのだ。自己評価が高いか低いか、それを判…

永遠の旅行者

「永遠の旅行者」橘玲。橘氏といえば、私にとっては日本有数の「市場原理主義者」という印象が強い。英語で言えば、アナルコ・キャピタリズム。「資本主義的無政府主義者」という英語の表現のほうがしっくりくる。最近の「小泉改革=市場原理主義批判=貧富…

デフレと円高の何が「悪」か

「デフレと円高の何が「悪」か」上念司。勝間さんという女性の経済評論家がいて、デフレ退治運動をやっていることは私も知っている。というよりも、私にとって勝間さんは自転車乗り、という印象のほうが強いのだが(苦笑)彼女は、都内の移動はほぼ自転車だ…

狼花

「狼花」大沢在昌。この人の「新宿鮫」シリーズは新書になってから読んでいる。結構面白い。この小説のおかげで、国家公務員におけるキャリアとノンキャリアの違いが一般国民に広く知れ渡った功績は大だと思う。で、久しぶりの鮫。今回のヒロインは明蘭とい…

ザ・ベストセラー

「ザ・ベストセラー」オリヴィア・ゴールドスミス。著者は文字通り、まあまあのヒット作品を書いた小説家なのだが、その彼女が「デビュー前のうらみつらみ」を作品化したのが本書である。すごいルサンチマンなのだ。いかに新人作家がデビューするのが至難の…

アメリカ人はバカなのか

「アメリカ人はバカなのか」小林至。小林至といえば、東大卒でロッテに入団したが、残念ながら二軍から脱出することができなかったピッチャーだ。直球が時速120キロしか出ないので、本人は「それでも押さえられる」と豪語したが、コーチはそう思わなかったら…

お腹召しませ

「お腹召しませ」浅田次郎。この人は、典型的な語り部である。語り部の話というのは、あまり深刻なテーマはないものである。ま、あっても構わないのだが、なくても一向に問題ない。ただ面白ければ良いのである。「うんうん、それで?」がずっと続くのが語り…

仕事するのにオフィスはいらない

「仕事するのにオフィスはいらない」佐々木俊尚。昨年末の最後に読んだビジネス本。紅白でいえば「大トリ」である(笑)で、実際に、オオトリの価値はあったように思う。最近ではモバイルや無線LANスポットも整備され、クラウドサービスも普及してきた。ホワ…

バイアウト

「バイアウト」幸田真音。ファンド会社が、とある音楽産業会社に敵対的買収をかける。ある外資系証券するの女性営業がそこに暗躍するのだが、彼女の母親は離婚しており、元父親がその音楽会社の経営陣として在籍している。女性営業は、「久しぶりの父との再…

「扉」ジャネット・フィッチ。どうやら映画化されているらしい。「らしい」というのはいい加減な話だけど、私は映画を見ないので。しかし、この小説はおもしろかった。昨年の年末に読んだ。主人公は12歳のアストリッドという少女である。彼女の母親は、美…

年頭所感

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。さて、年頭所感です。早くも閣僚辞任という鳩山内閣ですが、この内閣は羊頭狗肉ですから、長続きはしません。選挙向けにおいしい話を並べた挙げ句「やっぱムリ、ごめんね」というのが役…