Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2010-01-01から1年間の記事一覧

死刑絶対肯定論

「死刑絶対肯定論」美達大和。おりしも、国会議員を落選した死刑反対で知られる法務大臣(議員を落選してなお大臣でいられるケースは空前絶後と思うが)が、自ら死刑を見学(物見遊山だとか、パホーマンスではあるまいと信じたい)して物議を醸している。こ…

愛しき人類

「愛しき人類」フィリップ・キュルバル。サンリオSF絶版シリーズ(笑)冒頭、ベルガセンという名前の諜報部員が、スイス経由で山越えを行い、マルコムと呼ばれる欧州連合に潜入する。本書が書かれたのが1976年、マーストリヒト条約の調印が1992年だから、S…

世界Aの報告書

「世界Aの報告書」ブライアン・W・オールディス。オールディスといえば「地球の長い午後」があまりにも有名である。奇妙な生物達の織りなす世界を、まるで眼前にあるかのようにありありと描写してしまった。本作は、そのオールディスの若書きの作品である。…

鳥の歌いまは絶え

「鳥の歌いまは絶え」ケイト・ウィルヘルム。サンリオSF文庫、絶版。近未来が舞台である。地球上の生物は、主に核汚染のために滅びようとしている。人間は、徐々に生殖能力を失い、子どもができなくなる。そこで「谷」と呼ばれる豊かな渓谷の一族が、財力…

方舟

「方舟」しりあがり寿。この奇才漫画家が、ミレニアムの年に渾身の力をこめて問うた一作。偶然、古本屋で発見し読んだのであるが、これはすごい。舞台は今の日本。いや、世界。雨が降り続き、一向にやまない。テレビは、おちゃらけバラエティで「洪水で水泳…

迷妄の中に

今までも、何度もそうであったけど、未だに仕事ということでは迷妄の中にいる。かつて、30代のはじめから奉職したベンチャー企業は、遮二無二成長を目指す社長に引っ張られ、私なども微力を尽くして株式公開した。もっとも「公開すれば、たいがいの問題は…

デイトレ民主主義

選挙のたびに「有権者も考えなくてはいけない」という調子の論調が目に付きます。ひどいのになると「ねじれ回避のために、政権与党へ投票しろ」みたいな話まで。おいおい、それって自民党時代の万年野党万歳思想と変わらんではないの?とか、同じ事を自民党…

リンカーン弁護士

「リンカーン弁護士」マイクル・コナリー。主人公は刑事弁護士ハラー。ご存じのとおり、アメリカは訴訟社会だが、訴訟がおおいぶん弁護士も多い。競争社会である。よく救急車の後に弁護士の車がくっついてくる、と言われるが、それは誇張でもないらしい。本…

衆愚はない

今回の選挙で、ふたたび「ねじれ」を選択した我が国の国民ですが、「国民も、マスメディアに乗せられているだけだ。情けない。そもそも投票率が低い。国民は、それにふさわしい政治家しか持てない」という批判があります。私は、このような意見を「民主主義…

ねじれ再現

またまたねじれてしまいましたね(苦笑)日本政治の迷走ぶりの表現だとは思いますが、鳩山さんの就任以来の民主党政権の迷走を思えば、ある意味で妥当な結果かもしれませんなあ。ま、今や政権党の民主党が「直近の民意に従って解散しろ」という、かつての自…

カインの市

「カインの市」ケイト・ウィルヘルム。サンリオSF文庫で絶版のまま。日本のSFファンでも、ウィルヘルムの名前を知っている人は少ないのではないかと思う。日本におけるSFは、世界の中では特異な発展過程をたどっており、50年代~60年代の作品の影響が大きい…

菊と刀

「菊と刀」ルース・ベネディクト。日本文化と欧米の文化を「恥の文化」と「罪の文化」と対比してみせた本書は、日本人論として不朽の価値を誇っている。本書が、アメリカの占領政策のため生まれたという過程を考えるにつけ、本書自体が「気分でなく、綿密な…

両さんと歩く下町

「両さんと歩く下町」秋本治。あの長寿漫画「こち亀」の作者だが、扉絵には並々ならぬ情熱を注いでいるのだそうである。なにしろ長期連載だから、扉絵のネタも尽きてくる。そこで、作者は、下町を歩いて、その風景を写真におさめ、そこに両さんを配置すると…

浴槽で発見された手記

「浴槽で発見された手記」スタニスワフ・レム。サンリオSF文庫、絶版。学生時代以来の再読である。私は、レムの作品はあまり熱心に読んでいない。もともと、ロシヤ系の作家とは肌合いが合わないのである。そんな私だが、しかしこの「浴槽で発見された手記」…

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる

「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」奥村佳史。日本の法人税はだいたい40%とされている。この「だいたい」がくせ者で、色々な例外があったり、また地方税は自治体によって違いがあったりするからである。国際的にみると、あの高福祉で知ら…

非属の才能

「非属の才能」山田玲司。著者は漫画家で、映画化された「ゼブラーマン」だとか捻くれた文学的薫りのする「絶望に効く薬」などの作品を発表している。その著者が、一言でいえば「人と違うことをしろ。空気なんて読むな」という説教をしている本である(笑)…

夜より暗き闇

「夜より暗き闇」マイクル・コナリー。ディック・フランシスが亡くなってしまい、ついに大物ミステリ作家はコナリーだけになってしまったと思う。T・H・クックなんかも健筆ですが、彼の作品はなんとなくミステリの範疇に入らないように思うんだね。コナリー…

投了雑感

なるほど、小沢さんと刺し違えですか。花道としては、ほかになかったんでしょうねえ。しかし、昨日も書きましたが、こりゃ安倍さんの時と同じですよ。今さら辞任されても、ここまでこじれた沖縄を収集するのは容易じゃありません。年金問題と一緒です。政権…

自縄自縛

これはトラウマではないのか、と思う。自縄自縛のトラウマである。まずは、福島社民党首の罷免による社民党連立離脱である。同じく連立を組む国民新党の亀井金融大臣は「大人の対応を」と言った。亀井氏の胸中を代弁すると、このまま「辺野古はダメ」とつっ…

シェリ

「シェリ」コレット。ヒロインのレアは高級娼婦。日本では忌避される類の職業かもしれないが、19世紀のフランスにおいては、それは金銭を優先した場合にままある選択肢であった。社交界にだって出入りするのだから。イメージでいえば、江戸時代の日本の花魁…

中入れ

鳩山首相に対しては、一部に「深謀遠慮説」がありました。いわく「もともと、鳩山氏は改憲説。この際、徹底的に辺野古移転はムリだと米側に思いしらせて、ついには米軍基地を日本から廃する策ではないか」なるほど、そうすると右往左往の「軽い発言」も、す…

白骨

「白骨」G・M・フォード。主人公のコーソは、犯罪小説を書く作家である。あるノンフィクションを書いたところ、その証人が雲隠れ。コーソは、小説のモデルから事実無根と訴えられてしまう。しかし、あくまで小説なので、犯罪ではない。大陪審の出頭命令まで…

暴論;不便なほうが豊かだった

私は「レコード」が好きで、いまだによく聞く。CDではなくて「レコード」である。もちろん、MP3プレーヤーも持っていて、これは便利なので、出張先などによく持って行っている。しかし、自宅でゆっくり聞くときは「レコード」だ。そのたびに、考えることがあ…

セカンドチャンス

「セカンド・チャンス」ローズマリー・オーバート。主人公のエリスは、トロントの峡谷に住むホームレスである。前職はなんと判事。彼は、友人の妻に暴行を働き、そのために判事の職を失ったのである。その彼が、近所で黒人の手首を見つけたところから物語は…

日本経済を学ぶ

「日本経済を学ぶ」岩田規久男。私は経済学の素養がないので、経済学の主張を理解するのに骨が折れる。とはいっても、40も半ばをすぎたオヤジに、一から経済学を理解しろというのはムリな話である。そういうわけで、こういう新書で、平易に解説してある本は…

だれにでも「いい顔」をしてしまう人

「だれにでも「いい顔」をしてしまう人」加藤諦三。副題は「嫌われたくない症候群」誰にでもいい顔をしてしまう人が存在する。喧嘩できない、決然と断れない。なぜそうなってしまうのだろうか、ということついて、本書は縷々説明している。つまりは、自信が…

すべての経済はバブルに通じる

「すべての経済はバブルに通じる」小幡績。相場はリーマンショックをなんとかやり過ごしたものの、あらたなゴールドマン・サックスショックでまたまた軟調。先行きを予想するのはなかなか容易ではない。金融相場が回復しても、米国の失業率の高さなどの実体…

第一生命上場

第一生命が、生命保険会社としては初めて上場し、たくさんの保険契約者が株主さんになられたようです。久々に証券市場では明るい話題のようですね。多くの株主様には、おめでとうございます。しかしながら、私のわずかな経験から、ちょっと懸念を申し上げま…

満潮

「満潮」メアリ・ウェズレー。作者は英国婦人で、本書がデビュー作にあたる。一応ミステリなのだろうと思うが、淡々とした叙情的な描写が印象的な小説である。英国人好みなのはよくわかる。カズオ・イシグロ「日のなごり」のような、過ぎ去った、勘違いの過…

切腹もの

ご存じの通り、というか、予想通りというか。民主党政権はひたすら迷走を続けている。支持率は急降下だというが、そんなもん「だから言わんこっちゃねえ」である。いささか古いが、想定の範囲内である。期待したやつにも責任があるんじゃないかと思うがなあ…