Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2009-01-01から1年間の記事一覧

『こころ』は本当に名作か

「『こころ』は本当に名作か」小谷野敦。あの「もてない男」で一世を風靡した小谷野氏による懇切丁寧な名作案内。(もっとも、ご本人は20歳も?年下の美人を娶ってしまったらしい。大逆転というわけだが、当然、嫉妬の対象となるわけで、甚だおもしろくない…

前方赤色灯という最悪

自転車の夜間無灯火は危ないものである。これは、最近ようやく広く認知されてきたように思う。しかし、世の中は変わるもので、無灯火を上回る危険な技が登場している(苦笑)それは「赤色灯を前方につける」である!まさか、そんなアホな!と思うであろう。…

大江戸とんでも法律集

「大江戸とんでも法律集」笛吹明生。戦後しばらくは、江戸時代は封建主義の暗黒時代という話になっていた。十両盗めば獄門、そもそも死刑廃止の風潮にある人権の時代だというのに、たかが窃盗、十両ごときで死罪とは許し難い野蛮な世である、ということであ…

歌の翼に

「歌の翼に」T・M・ディッシュ。サンリオSF文庫、絶版。かつて、3Dと呼ばれた作家に、P・K・ディック、サミュエル・R・ディレーニ、そしてT・M・ディッシュがいる。SFといえば、宇宙怪獣がでてきてドンチャカ、などというのは日本だけの先入観である。60年…

人生ゲーム

「人生ゲーム」D・G・コンプトン。サンリオSF文庫、絶版。1983年の近未来(笑)空から「月塵」と呼ばれる無機質のホコリが降ってくるようになる。この物質は、きわめて優秀な肥料であって、作物の生育を促し、今まで干ばつや不作に悩んでいた地域もすべ…

無料で自転車道をつくる---路上駐車自由化の提言

最近、引っ越したこともあるが、自転車通勤を中断している。そろそろ気候も良くなってきたので、復活したい気持ちは山々なのだが、問題は、都内の交通事情である。最初に言っておくが、東京都内の自転車に対する交通事情は悪くない。それなりに路肩の広い道…

ジャズ・バード

「ジャズ・バード」クレイグ・ホールデン。1920年代、アメリカは禁酒法の時代であった。しかし、人々は酒を求める。酒がすべてご禁制の品になったということは、当然ギャングの取り扱い品目が増えるわけで、禁酒法の時代はマフィアが大幅に商売繁盛した時代…

脱出を待つ者

「脱出を待つ者」ヴォンダ・マッキンタイア。転居をきっかけに発掘した(笑)今は亡きサンリオSF文庫の一冊。当然、絶版。舞台は未来の地球で、人々は核戦争の汚染を避けて地下都市で暮らしている。その地下都市は「中央」と名付けられており、厳しい身分制…

引っ越し修行

自宅を購入したのはいいが、当然、引っ越しをしなければならない。住宅ローンの支払いが始まるので、いつまでも陋屋アパートに居座っていると、二重に住居費がかかるからだ。購入した家は極めつけの安売り物件だから(苦笑)家財道具は、照明はもちろん、カ…

自宅購入

自宅を購入してしまった、、、40過ぎの独身男の顛末を簡単に記しておく。きっかけは、職場を辞めざるを得なくなったことである。なにしろ、新興市場の相場大幅下落という一大潮流の中で、折悪しく業績を落としていた我が社の株価は見るも哀れな有様となり、…

2連覇によせて

WBCは、日本の2連覇という快挙となった。実は我が社も、社長を筆頭にオフィスでちっちゃな携帯ワンセグTV画面で観戦しており、仕事どころじゃなかったのだ。この不景気にいいのか?!と思わないでもなかったが、まあ、場合が場合なので、どうにも仕方がない…

地下鉄に乗って

「地下鉄に乗って」浅田次郎。この小説は映画になったそうである。例によって、映像作品に今ひとつ食指の動かない私は未見である。集中を強いられる感じが嫌いなのだ。本は、寝ころんで読もうと、公園で読もうと、途中で茶を飲もうと自由。トイレの中でもい…

ヴァイオレット・アイ

「ヴァイオレット・アイ」スティーブン・ウッドワース。転職やら転居やら、身辺が激動しており、てんてこ舞いしている。(死語?)であるので、読書もはかどらず、ブログもなかなか更新できないでいるのだ。おまけに風邪をひくわ、胃は痛むわ、またぞろ鬱の…

推定無罪

「推定無罪」スコット・トゥロー。先に「陪審員」を読み、アメリカの裁判に興味が沸いて、この本を読む。アメリカではベストセラー、映画化もされ、日本でも「このミス2位」という快挙を誇る名作で、あの福田和也氏も「悪の読書術」の中で「ジョン・グリシ…

陪審員

「陪審員」ローラ・ヴァン・ウォーマー。アメリカで、殺人事件の陪審員に選ばれた男女の物語である。小説家のリビーは、なかなか小説が売れないため、貯蓄の残高が減っている。頭を悩ませているところに、有名な女性モデルであるシシーが、大富豪の御曹司に…

西行

「西行」白州正子。福田和也先生によれば、女流作家で「もっとも賢く見える」のが白須正子なのだという。つまり、なまなかな知識では、おもしろく読めない、興趣を存分に味わうためには相当高度な見識の裏付けが必要だ、ということである。ふむふむと、私な…

不動産の購入

退職を控えて考えていること。実は「不動産購入」である。これから無職になろうというのに、何を狂っているのか?(苦笑)しかし、これは荒唐無稽なアイディアではない、と自分では思う。日本国民の土地神話も色あせた昨今、しかもこれから景気はさらに悪化…

退職貧乏

転職というものが、かくもカネがかかるものだとは知らなかった。おかげで、かなり貧乏になりそうである。久しぶりに、ハングリー精神を取り戻すきっかけとしては、悪くない(苦笑)。まず、退職金であるが、よくある「取締役会に一任」というもの。その決議…

浄土の帝

「浄土の帝」安部龍太郎。日本史の中でも、平安時代の終わり頃の戦乱は、いちばん複雑でわけがわからん時代ではないかと思う。保元の乱に平治の乱、平清盛が出てきて壇ノ浦で終わって、源頼朝が出てくると、まあまあ風通しがよくなる。だいたい日本史の先生…

守護者(キーパー)

「守護者」(キーパー) グレッグ・ルッカ。アメリカで人工妊娠中絶が政治的にたいへんデリケートな問題になっていることは知ってはいたが、本書を読めば、そのリアルな雰囲気が伝わってくる。日本では当然のように行われている処置であるが、アメリカにおけ…

封建制の文明史観

「封建制の文明史観」今谷 明。帯には「なぜ、封建制をとった国は、植民地にされなかったのか」とある。大変斬新な視点で、素晴らしい惹句である。編集さん、良い仕事をしてますなあ(笑)というわけで、さっそく購入。まず著者は、モンゴル帝国の版図に入れ…

古事記の真実

「古事記の真実」長部日出雄。さて、2009年劈頭の書評を何にしようと思ったのだが、やっぱりこれかな、と。日本人ですからね。古事記と日本書紀は「記紀」とひとまとめにして呼ばれることが多く、その位置づけも「日本書紀=史書」「古事記=創作」というの…

本年もよろしくお願いします

お正月は、帰省しておりました。幸い、新幹線のトラブルにはひっかからないで帰れました。そうしたら、元旦からいきなり大雪。雪かきをして、近所の霊験あらたかな神社さんへ初詣。元旦の雪は、古来から豊作の兆しとして吉例だとされてきました。「新しき 歳…