Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

「弩」下川博。この人の小説は初めて読んだ。舞台は鎌倉時代の末期から室町時代の初期で、因幡の国の智土師郷という村である。吾輔という小作農がいたが、彼の力量を認めた村人は、彼を自作農にする。村は地侍の荘園だったが、その侍は寺社に対する祈祷料を…

ダイナー

「ダイナー」平山夢明。寝食を忘れるほど面白い小説、という噂が某掲示板で語られたほどの小説。そう聞いてはたまらんので、さっそく読んで見る。この作家の作品は初めてである。主人公はオオバカナコ。決して小田マリではない。金に困ったカナコは、あやし…

ご報告

思うところがあり、このたび、突然ですが結婚することにしました。お相手については、またそのうち、おいおいとご報告させていただきます。今後とも、よろしくお願いいたします。

エデン

「エデン」近藤史恵。自転車ロードレース小説として有名な「サクリファイス」の続編。主人公の白石は、唯一の日本人ロードレーサーとしてツール・ド・フランスに参加する。チームは、スポンサーの撤退という大問題に直面していた。監督のマルセルは、ロード…

破獄

「破獄」吉村昭。生涯になんと脱獄4回を行った実在の人物、白鳥由栄をモデルにした小説である。本書では、佐久間清太郎という名で描かれる。佐久間は、盗みをはたらき逃走する際に人と争いになり、相手を殺してしまう。準強盗致死罪となり無期懲役の判決を…

タックスヘイブン

「タックスヘイブン」橘玲。小説は三人称で語られるが、古波蔵と牧島という高校時代の同級生の男二人がメインである。さらに二人と仲の良かった紫帆という女性が加わって、この3名が織りなす人生の交錯が描かれる。古波蔵は、高校時代から「人生は退屈だか…

成長戦略のまやかし

「成長戦略のまやかし」小幡績。2013年に出版された本である。アベノミクスに対する評価は、すでに「イマイチ」ということで、衆目が一致すると言っても良いと思う。反リフレ派が言ったようなハイパーインフレは起こらず、しかし、経済が好転したかといえば…

僕の死に方

「僕の死に方」金子哲雄。副題は「エンディングダイアリー500日」。私は今年53歳で、もうすぐ54になる。昔は人間50年だから、そろそろ支度をしなければいけない。しかし、正直なところをいえば「え、もう、ですか?」という感じである。つい先日ま…

私は猫ストーカー

「私は猫ストーカー」浅生ハルミン。著者は、30過ぎの女性独身イラストレーター。猫が好きで、飼っているのに、ときどき町に出かけては野良猫をストーキングするのである。猫たちは、都会の片隅で、あるいは埋め立て地の工業地帯で、はたまたマルタ島で、逞…

金融資本主義を超えて

「金融資本主義を超えて」岩瀬大輔。副題は「僕のハーバードMBA留学記」。著者の岩瀬氏は、今は有名なライフネット生命の副社長を務めておられる。氏のハーバードビジネススクールへの留学時代のブログに加筆してまとめたのが本書ということである。いわゆる…

河津桜

昨日は、実に良い天気だったので、軽くランドナーを流した。午前中は、掃除やら洗濯やらをやっつけて、ついでに古くなったチェーンを交換。私のARAYA-RANが8速だから、安いシマノのHGチェーンである。こいつが安くて丈夫でよく走る、まさに日本品質の見本み…

キスカ島 奇跡の撤退

「キスカ島 奇跡の撤退」将口泰浩。副題「木村昌福中将の生涯」。副題の通り、日本海軍の木村昌福(まさとみ)中将の伝記である。日本海軍の将官といえば、有名なのは山本五十六、南雲忠一、山口多聞といったハワイ作戦~ミッドウェイ組であろう。しかし、な…

函館売ります

「函館売ります」富樫倫太郎。副題「土方歳三蝦夷血風録」。函館の幕末、ガルトネル開墾事件に題材をとった小説である。プロシアのガルトネル兄弟が、北海道で300万坪の土地を99年間借用して開墾を行っていた事件である。舞台は幕末時代。榎本武揚率い…

むごすぎる

誤報ではないか、と思ったのだが、間違いないようだ。金正男氏、マレーシアにて暗殺さる。後継者争いから脱落して以降は「政治的野心はない」と述べていた。欧州留学がながく、朝鮮語以外に英語、中国語、フランス語まであやつった。たびたび極秘に(不正入…

五代友厚

「五代友厚」高橋直樹。副題は「蒼海を越えた異端児」。経済界では「東の渋沢、西の五代」と並び称された、明治時代の大阪経済の立役者である。その割に知名度が低かったが、NHKの朝ドラ「あさが来た」で人気が出たらしい。本書も、そのブームにあやかって出…

バイアウト

「バイアウト」幸田真音。ヒロインは広田美潮というちょうど30歳を過ぎたばかりの外資系証券会社のセールス。大手の投資ファンドに食い込みをはかっている。その投資ファンドが目を付けたのが、都内の有名スポットに多数の不動産を抱えている音楽会社のヴァ…

パインズ

「パインズ」ブレイク・クラウチ。副題は「美しい地獄」。3部作の第1作である。もっとも、著者は最初から3部作にするつもりだったのではなく、この本1冊で終わるつもりだったようである。本書が好評で、なんと映像化までされたため、その余勢をかって次…

宰相のインテリジェンス

「宰相のインテリジェンス」手嶋龍一。この人の「ウルトラ・ダラー」は事実に巧妙にフィクション(小説だから当然で、著者の想像というべき)を付け加えた「インテリジェンス小説」で、ずいぶんビックリさせられたものだ。本書の副題は「911から311へ…

sudden fiction

「sudden fiction」ロバート・シャパード、ジェームズ・トーマス編。いろいろな作家の作品を集めた短編集である。長さとしては、日本で言うショート・ショートなのだが、有名な星新一のショート・ショートとは違う。これらの作品には、あのような見事なオチ…

天皇になろうとした将軍

「天皇になろうとした将軍」井沢元彦。著者の「逆説の日本史シリーズ」は面白くて、ついつい読んでしまうのである。氏の説を一口にいえば「日本人の歴史の背後には怨霊信仰がある」というものである。ようは「恨みを呑んで死んだ人は、鎮魂しなければ怨霊に…

平等は難しい

国連も、他人の結婚制度に口を挟んでいるヒマがあったら、もっと深刻な人権侵害が世界にはゴロゴロしてるじゃないか、と思うのであるが、そっちは「遺憾の意」だけでオシマイである。なにしろ、人権侵害しているような国家は、共産主義だったり独裁制だった…

龍門の衛

「龍門の衛」上田秀人。歯科医のかたわら時代小説作家という二足のわらじで大ヒット中の著者の作品。この作品は比較的初期のものだと思うが、あざといくらいに上手い。たいへん上質な時代小説のファンが、読みたいと思う小説を自分で書いたという感じである…

眉にツバ

1月10日のニュースから。台湾の情勢です。現在の蔡英文総統は民進党で、国民党は野党に転落しましたね。◆トランプ氏も参戦 与野党の攻防が激化する中、国民党は中国に接近。政界事情通は「11月に国民党の洪秀柱主席が訪中した際、中国側と資金支援や人…

ビッグデータ・コネクト

「ビッグデータ・コネクト」藤井太洋。昨年の暮れの大掃除をしながら読んだ本である。非常に注目していた作家だし、本作の感想を一言でいえば、たいへん面白かった。小説は、留置場に入れられていた容疑者、武岱(ブダイ)が、嫌疑不十分で不起訴となり釈放…

本日始動

世間的には昨日からの方も多いと思いますが、怠け者の私めは、本日始動であります。昨年末の怒涛のスケジュールでくたびれたので、少々のんびりとしてしまいました。まあ、今年も、気が向いたときだけ、テキトーな記事を書くことになると思いますが。世の中…