Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2011-01-01から1年間の記事一覧

サクリファイス

「サクリファイス」近藤史恵。希有なロードレース・ミステリである。サクリファイスとは「犠牲」である。自転車ロードレースをご存じの方は、このタイトルからすぐ「アシストレーサー」のことだと推察がつくはずだ。自転車ロードレースでは、いかに勝負所ま…

人生で必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ

「人生で必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」R・フルガム。たいへん有名なエッセイだけど、読んだことはなかった。古本で安く購入。著者はボートハウスに住む牧師である。ボートハウス、というのは意味がある。アメリカは、固定資産税が高い。ところが…

楼岸夢一定

「楼岸夢一定」佐藤雅美。この前読んだ「大君の通貨」が面白かったので、同じ作者のものを読む。主人公は蜂須賀小六である。河原衆と呼ばれ、田畑を持たずに暮らしていた彼らが、信長に目を付けられる。なんども誘いを断るが、戦国の世において、なかなか中…

柳の下に

孫さんが自然エネルギーで怪気炎をあげている。菅総理も悪のりして「私の顔を見たくなければ法案を通せ」なのだそうだ。困った総理である。再生エネルギー法案の成立が退陣条件だそうだ。交渉としては、まったくバカバカしい話で、3条件を飲んだら「じゃあ…

にらめっこ

東電が金融機関50社に支援要請を行ったそうであります。震災前の融資残高の維持と、金利の引き下げです。1%未満の低金利を要請しているそうです。東電自体「継続企業の前提に疑義」が注記されており、つまり、資金繰りが厳しくて倒産の危険があるのです。…

真田に似るか

今や菅総理の立てこもる官邸は、片田舎の小城程度のものでしかない。勝ちにはやった小鳩軍は、官邸を十重二十重に包囲して、菅さんに「さっさと城を明け渡せ」と気勢をあげた。そこで菅さんは、鳩山さんに面会していわく「はいはい、城は明け渡します。つい…

死角

「死角」マイクル・コナリー。副題は「オーバールック」。オーバールックとは、展望台のことである。ボッシュ刑事は、夜中に上司の電話を受ける。緊急出動である。展望台で、後頭部から射殺された死体が見つかる。至近距離から2発である。射殺されたのは放…

様々な終焉

自民党の谷垣総裁の奥様が亡くなられたそうである。まだお若い。谷垣さんと同じ年である。衷心からお悔やみ申し上げたい。奥様とは、大学の同窓生で、ともに司法試験を目指した仲であるそうな。谷垣さんは、夜の付き合いよりも、奥様との食卓を好んでいたの…

人材不足

菅総理の後継といってうるさいが、いったいなんだろうか、と思う。増税論者は避けたいのだ。今この時期に、増税などしたら、日本経済は泥沼に沈むだろう。年間3万人の自殺者を、政府は重くかんがえる必要がある。今は、そんな手段をとるべきでない。しかし…

ますます先がみえない

みんな慣れっこになっているのか、あまりマスコミも騒がないようであるが、福島第一原発のニュースは悪くなる一方である。東電は、嫌々発表したらしいが、1号機の内部は蒸気が充満しており、なんと4000ミリシーベルト毎時である。おいおい、の数字である。シ…

大政治家

ほかでもない、我が国の首相のことであります。なにしろ、有権者のみならず、党友代議士までたばかるとは、、、おぬし、やるな、というほかございません(笑)世が世なら、外務大臣としては最適の人物だったでしょうなあ。思わず、イスラエルをつくっちゃっ…

その責任はとれません?

内閣不信任案は否決されましたが、ここのところのマスコミの論調には呆れてしまいました。「永田町では、こんな政争に明け暮れて、いったい被災地はどうなるのでしょう。」と、まぁだいたいそういう意見です。「与野党一緒に、復興へ頑張るべきだ」なんじゃ…

わが心臓の痛み

「わが心臓の痛み」マイクル・コナリー。90年代を代表するハードボイルド作家がコナリーであることは間違いない。その作品のクオリティの高さも折り紙付きである。そのコナリーの作品中でも、本作がベスト、という人が多いようである。自分としては、ベスト…

継続企業の前提に疑義

東京電力の決算書に、監査法人からの「継続企業の前提に疑義」が注記されたようである。すでに、負債が資産を超える債務超過状態に落ちることは確実だから、今更ニュースでもないだろう。こうなると、株価も下がるし、社債の引き受けても居なくなる。つまり…

ベストプライス

福島原発の2号機、3号機もメルトダウンだと、ようやく歯切れの悪い発表があった。ご丁寧に「チャイナシンドロームになることはありません」との説明つきである。その口は「圧力容器、格納容器は問題ありません」と述べていたわけである。まさかチャイナシン…

キュレーションの時代

「キュレーションの時代」佐々木俊尚。副題は「つながりの情報革命がはじまる」「仕事するのにオフィスはいらない」が面白かった。この人の著書は刺激的である。読んだ感想をいえば、やっぱり凄い。本書では、冒頭にブラジルの音楽家ジスモンチの例をひく。…

ブラックスワン理論

ブラックスワン理論というのがある。ナシーム・ニコラス・タレブが2006年に提唱したものである。数学的な説明は、私の力量ではムリなのであきらめるが(苦笑)つまり人間は「想定外」を避けられない、ということである。その後、数学的にはきちんと計算され…

ちょいと雑感

自民党の谷垣総裁は「想定を超えた自然災害が起きたとき、原発をどう押さえ込むか十分ではなかった。過去の政策に盲点があったことは否定できない」と述べたそうである。私には、ごく普通の見解のように思われるが、ここで元気づく人もいるわけである。「原…

枯草熱

「枯草熱」スタニスワフ・レム。ちなみに、枯草熱とは花粉症のことである。大学のときにサンリオSF文庫で読んで、なんとなく心に残っている作品である。思うところあって、今回、ふたたび引っ張り出して読んだ。主人公は元宇宙飛行士である。地球にもどって…

フェイスブック 若き天才の野望

「フェイスブック 若き天才の野望」デビッド・カークパトリック。既にヤフーもマイクロソフトもオールドスタイルの企業だと言われて、グーグルとアップルが2大「いけてる」企業になっている。そのグーグルの牙城を脅かしはじめたのが、フェイスブックである…

今ふたたびの海

「今ふたたびの海」ロバート・ゴダード。ゴダードは、典型的なストーリーテラーとして知られる作家である。本書も、その例に漏れない作品。舞台は18世紀のイギリスで、南海泡沫事件が背景である。南海泡沫事件というのは、東インド会社の大もうけの2番煎…

ファンドレイジングが社会を変える

「ファンドレイジングが社会を変える」鵜尾雅隆。今回の東日本大震災を契機として、多くの義援金が寄せられている。しかしながら、その配分がなかなかスムーズにいかずに、問題となっているのは周知の通りである。早い解決を願っている。今回の大災害は、と…

詐欺の心理学

「詐欺の心理学」取違孝昭。副題は「どうだます?なぜだまされる」である。詐欺というのは、たいへん興味深い犯罪である。なぜなら、被害者は、どういう経緯であれ、いったん「同意」をしているからである。これが、強盗だの誘拐だのであれば、話は違う。強…

マネー力

マネー力。大前健一。だいたい評論家というのはいい加減な人種と決まっている。大前氏は、鋭い舌鋒と緻密な論理で読ませる本を書いていたが、最近は粗製濫造ぎみなのか。やっぱり「評論家」になっちまったなあ、というのが正直な感想である。まず、日本人の…

半島を出よ

「半島を出よ」村上龍。今、この時期なので、というわけでもないが、偶然に書店で見つけて購入。文庫なので手が出るわけで。これは評価が高かったことがわかる作品である。村上龍という書き手は凄いな、と思う。北朝鮮の特殊部隊が、日本の福岡を侵略、占領…

大君の通貨

「大君の通貨」佐藤雅美。副題は「幕末円ドル戦争」我々は、教科書で「幕末に、日本と外国の金銀交換比率が違うため、大量の金が流出した」と習った。しかし、その実際については無知である。本書は、丹念な取材によって、その事情を解き明かした本である。…

ダメコン

長期戦を覚悟せざるを得ない福島原発であるが、一連の経緯を見聞しながら、考えることがある。「ダメコン」の話である。私は、原発技術にはまったくの門外漢なので、まあ素人の思いつき、である。一連のニュースで気になるのは、頻繁に「想定外」というセリ…

なぜ通販で買うのですか

「なぜ通販で買うのですか」斎藤駿。著者は、あの有名な左翼生活いけね通販生活の代表にして創業者である。通信販売という業態が、いかに「あやしい商品」から脱出して成長してきたか、その軌跡を著者自身の経験をもとに語った本である。そういう意味では、…

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

「スティーブ・ジョブス 驚異のプレゼン」カーマイン・ガロ。副題は「人々を惹きつける18の法則」。アップルの創業者にしてCEOであるジョブスは、その卓越したプレゼン能力で有名である。本書は、そのジョブスのプレゼンのノウハウを解説した本である。本…

どちらも一理

このたびの大震災を受けて、石原都知事が「花見は自粛」と言ったとかいうので、物議を醸しているようだ。石原都知事の発言は、花見を自粛しようと言ったわけではなく、こういう時に酒を飲んでどんちゃん騒ぎをすべきでない、ということである。それは、大い…