Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2008-01-01から1年間の記事一覧

「霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」」

「霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」」高橋洋一。小泉内閣の時代に、元官僚でありながら竹中平蔵氏の懐刀として活躍し、その後「埋蔵金」問題を指摘した著者による、ざっくりとした我が国経済の解説本。経済学の基礎に基づいて、埋蔵金問題であるとか財…

散るぞ悲しき

「散るぞ悲しき」梯久美子。副題は「硫黄島総指揮官 栗林忠道」。本書は大宅壮一章を受賞したノンフィクションの名著である。このたび文庫化され、電車内で読みやすくなった。ありがたい。硫黄島は、大東亜戦争中に、米軍に大出血を強いた激戦地として有名で…

アナーキズム

「アナーキズム」浅羽通明。同著者の「ナショナリズム」があまりに面白かったので、こちらも購入。やっぱり面白い。アナーキズム「無政府主義(アナキズム、とも表記)」は、私には、いまやもっとも現実の庶民に密着した思想のように思える。著者は、まず有…

シャルビューク婦人の肖像

「シャルビューク婦人の肖像」ジェエリー・フォード。舞台は19世紀末のニューヨーク。主人公のピアンボは、肖像画家としてまずまずの名声を得て、恵まれた暮らしをしている。それは、彼が、肖像画を「本物よりも、ちょっと良く」描くからだ。しかし、彼は、…

海軍航空隊、発進

「海軍航空隊、発進」源田実。帰省中に、近所の古本屋で発見したもの。海軍航空隊の生みの親とも言える源田実の、文字通り草創期の回想録である。当時の飛行機は複葉機で布張りであり、まず、空母の甲板に着陸すること自体が大事業だと思われていた。これに…

究極のセールスレター

「究極のセールスレター」ダン・ケネディ。セールスレターなんて、飽きるほど使われている。本書は、そのセールスレターのバイブル的存在で、今から15年ほど前にアメリカで書かれた本である。私の商売柄、ちょっと興味があって、読んでみたのである。この本…

ジェニィ

「ジェニィ」ポール・ギャリコ。猫好きならば、一度は読むべき本。ピーターは8歳の男の子だが、ある日、道に飛び出したところをクルマにはねられてしまう。意識を失ったピーターは、目が覚めると、白い一匹の猫になっているのだった。やむなく、ピーターは「…

壬生義士伝

「壬生義士伝」浅田次郎。だいたい、私はへそ曲がりな人間なので、映画やらテレビやらになった本は読まないほうである。もちろん、その映画やらテレビやら、も見ない。たいがい、原作とは似ても似つかぬ代物が多いので、どっちにしても腹が立つからである。…

23年目に思う

あの尾巣鷹の悲劇から、もう23年が経つそうである。つまり、あのとき生まれた赤ん坊は、今や大学を卒業して立派な社会人となっているわけである。月日の経つのは早いものだと思う。私は、パニック障害を発症してから、どうも飛行機が苦手なのだが、その要因…

個人的ボイコット

どうやら北京五輪は、なんとか開幕したらしい。「らしい」というのは簡単で、私は北京五輪のニュースもテレビも全く見ないからである。世間様はぼちぼちお盆休みのようだが、私は因果な商売のおかげで、この真夏のさなかに「寒い、寒い」を連発し、仕事帰り…

グルメ警部キュッパー

「グルメ警部キュッパー」フランツ・シェツィング。キュッパーは、ドイツのケルン警察の警部である。冒頭、6年間一緒に暮らした女性に出て行かれるところから物語ははじまる。彼女が残してくれたのは、1本のキュウリだけだった。キュウリ嫌いのキュッパーは…

格差問題なら、これが先決のはず

TB先の中野学校さんの記事は傑作である。心ある人が読んでくださることを祈念する。蛇足ながら。総務省の「官民格差」に関する発表から。清掃職員(平均43.8歳)は約45万6000円で民間の1.52倍。学校給食員の給与(平均46.0歳)も調理士(…

火中の栗

火中の栗は、うまく拾えば美味しい思いが出来ますが、失敗すれば大やけどをします。黙っていて、栗が拾えるならそれでもいいんですが、ひょっとすると、みんな燃えてなくなってしまいそうです(笑)で「ええい、ままよ」と幹事長。そういうわけじゃないでし…

ハマナス

いやー、暑い日が続きますね。私は、暑いのは寝苦しいんでイヤですが、昼間は暑くて当たり前なので、相変わらず自転車に乗っているワケです。ガブガブ水を飲みながら、です。ビールばかり飲むと痛風になりますからなあ。中年男としては、気をつけないといか…

長恨歌

「長恨歌」馳星周。「不夜城」シリーズの第3作。おそらく、完結編。主人公は武基裕。満州生まれで、祖父が対日協力者だったこともあり、日本への憧れが強く、残留孤児になりすまして日本に入国。会社づとめをしていたが、折からの不況で会社は倒産。やむなく…

靖国問題(6)

(靖国問題 高橋哲哉 おわりに)私「さて、老師。『おわりに』本書では、石橋湛山の『靖国神社廃止の議』をあげています。戦後日本は、国際社会の手前、靖国神社には参拝できないだろうし、そうなれば国家の面目は失われる。そもそも靖国といいつつ国を守るこ…

スカイシティの秘密

「スカイシティの秘密」ジェイ・エイモリー。夏になると、なぜかジュブナイルが読みたくなる。つまり、児童文学である。おそらく、子供の頃に、夏休みになるとジュブナイルに読みふけった、その記憶がずーっと生きているんでしょうなあ。で「スカイシティの…

靖国問題(5)

(靖国問題 高橋哲哉 続き)私「さて、老師。いよいよ第5章の『国立国家追悼施設の問題』です。ここで、著者は、国立国家追悼施設を新たにつくることは、アジアに対する戦争責任を果たす事にもならないし『第二の靖国』となる可能性も大いにあることを指摘し…

この商品名はないだろ

私愛用のセンタクキは、ナショナル(現ブランド名=パナソニック)の「愛妻号」である。こちらで社会人として一人暮らしを始めた時期に買ったので、余裕で20年以上使っているのだ。もちろん、今でも元気に動く。ちゃんと全自動である。我がセンタク生活は、…

靖国問題(4)

(靖国問題 高橋哲哉 続き)私「さて、つづいては『文化の問題』です。この章では、江藤淳の論理が『日本の死者を祀る伝統』と『どこの国でもやっている戦没者の顕彰』は矛盾する、という指摘がされています」老「しかし、高橋も、アメリカのアーリントン墓地…

償い

「償い」矢口敦子。主人公の日高は、埼玉の光市(架空;おそらく和光市がモデル)のホームレスである。彼は、もともと脳外科の医師だった。しかし、仕事に没頭するあまり、息子の容態を見て欲しいという妻を放置し、結果として息子を死なせてしまい、さらに…

靖国問題(3)

(靖国問題 高橋哲哉 続き)私「さて老師。次は『宗教の問題』です。いわゆる、憲法の政教分離規定についてですが」老「まず、基本的に政教分離は、近代国家にとっては当然の理なのじゃ。いかに保守反動でも『日本は祭政一致こそ国体であるので、卑弥呼の昔に…

6万ヒットお礼と落日の報告

いつの間にやら6万ヒット。この、偏屈なる独身中年男の屁理屈を、のべ6万人の方々が訪問してくだすったことに驚くとともに深謝いたします。生来のめんどくさがりゆえ、ほとんどテキストのみの地味な紙面。行間からあふれる管理人の偏向ぶり(笑)。ときどき…

靖国問題(2)

(靖国問題 高橋哲哉 続き)私「さて、老師。それでは『歴史認識の問題』お願いします。著者は、A級戦犯分祀論は、アジア諸国の政治的妥協の産物であって、日本の植民地支配に対する歴史認識は別だ、と言っています」老「この章は、本書の中では歯切れが悪い…

民度の差

ほぼ「予定通り」な竹島をめぐる韓国側の反応を見ながら、思ったことであるが。これは「民度の差」というものじゃないか、と。領土は、国の基本なので、そりゃあ領土紛争となれば、どの国だってナショナリズムが高揚する。そうじゃなきゃ、おかしいぐらいの…

揺さぶり

「揺さぶり」マイク・ハリソン。舞台はカルガリー。冬季五輪が開催された都市である。主人公のエディは、元警察官だが、退職して私立探偵になっている。ある日、彼の元に依頼者がやってくる。この依頼者は、銀行強盗を行ったばかりで、その相棒が金を持って…

靖国問題(1)

「靖国問題」高橋哲哉。私singleと、老師との本書をめぐる対談であります。なお、本書に関しては、巷間語られ尽くしたようにも思えますね。なぜ今なのか?といえば「古本屋で値段が下がるには、ちょっと時間がかかる」からです(笑)私「老師よ。本書でござ…

確実な方法

私は最近思うのですが。国の問題は「税」だと思うのです。あとの問題は「どうでもいいこと」にしか過ぎません。たとえば「戦争」です。「軍国主義が」「右傾化が」「天皇制が」戦争をする、という考えは、同意できません。なぜならば、それはすべて「後付の…

裸の自衛隊

「裸の自衛隊」宝島社。10年ほど前に出たルポの文庫化である。あえて、その当時のままの内容であるそうだ。ご存じのように、日本は憲法9条があるから「戦力」は保持できない。であるからして、日本には「軍隊」はない、ことになっている。よって「自衛隊」と…

新・進化論が変わる

「新・進化論が変わる」佐川峻・中原英臣。講談社ブルーバックスから。なかなか、興味深く読んだ。進化論は、その登場当時から批判が絶えないのであるが、少なくとも、現代の日本人で進化論を否定する人は少数派だろう。生物は、長い時間をかけて、環境に適…