Single40'S diary

「40過ぎて独身で」の作者が、あっというまに50代を迎えたブログ

#読書

弁護士アイゼンベルク 突破口

「弁護士アイゼンベルク 突破口」アンドレアス・フェーア。 物語の冒頭、女性テレビプロデューサーのユーディットは出張先のホテルのバーで隣に座ったちょっとイケメンの男と話がはずむ。ユーディットはワンナイトラブの予感さえ抱くのだが、さらに同じバー…

弁護士アイゼンベルク

「弁護士アイゼンベルク」アンドレアス・フェーア。 女性刑事弁護士のアイゼンベルクは、夫と共同事務所を経営していた。夫は民事、アイゼンベルクは刑事を手掛ける。ところが夫は若い女に浮気したので離婚することになった。しかし、共同事務所を解散するの…

素晴らしき世界

「素晴らしき世界」マイクル・コナリー。 連休だったので、すかさずコナリーを読む。何しろ、外は極寒である。自転車に乗る気も削がれてしまうのだ。そうなると、お気に入りのCDをかけるかFMを聴くかしながら、好きな小説を読むという自堕落を決め込むことに…

汚名

「汚名」マイクル・コナリー。 ロス市警を退職してサンフェルナンド市の薄給のボランティアとして刑事をしているボッシュは(日本でいう定年後の嘱託)ある薬局での二重殺人事件の捜査をすることになる。薬局の防犯ビデオには事件の一部始終が記録されており…

べんけい飛脚

「べんけい飛脚」山本一力。 年末に、ぎっくり腰の再発をせぬよう、ゆっくりと大掃除しながら読んだ。 これが2021年の読書納めの一冊となった。 本書は2部構成となっており、第一部は売れない戯作者、雪之丞が加賀前田家の専属の飛脚、浅野屋に依頼されて前…

秀吉の能楽師

「秀吉の能楽師」奥山景布子。 山崎の神人、暮松新九郎は遊女宿の女主人をしている母から「秀吉のもとに行き、秀吉を能に没頭させろ」との命令を受ける。新九郎はさっそく朝鮮出兵中の名護屋に行く。秀吉は長い滞陣で飽きが来ており、新九郎の思惑どおり、今…

脳には妙なクセがある

「脳には妙なクセがある」池谷裕二。 私は脳科学というのは胡散臭い疑似科学ではないか、と思っている。だって、テレビで時折拝見する「脳科学者」なる人物たち、揃って胡散臭いのであるから致し方ない。そもそも、大学で脳科学部とか脳科学科なる学部も聞い…

IQ

「IQ」ジョー・イデ。 アフリカ系アメリカ人のアイゼイア・クインターベイはそのイニシャルをとって「IQ」と周囲の人に呼ばれている。ミスターIQというわけだ。彼は、ひどく頭脳が優秀なので有名なのである。 IQには、かつてマーカスという、とても優秀な兄…

指し手の顔

「指し手の顔」首藤瓜於。副題は「脳男Ⅱ」 元力士で精神科に入院歴のある男が、どういうわけか症状が突然悪化して暴れだし、殺人を犯す。さらに、逮捕しようとする警察相手に暴れまわり、さらに死傷者を出し、最後に射殺される。この事件の舞台の愛宕市では…

償いは、今

「償いは、今」アラフェア・バーク。 主人公のオリヴィアは43歳独身の女性弁護士である。大手弁護士事務所のパートナーになるという夢は破れたが、友人のシャーロットの父であるドンの家庭的な弁護士事務所でパートナーとして働いている。彼女は結婚を前提に…

ささやく真実

「ささやく真実」ヘレン・マクロイ。 美女クローディアがある生化学者のところを訪れる。この生化学者は、自白薬スコポラミンの誘導物質をつくることに成功して、試作品をつくっている。その名を「真実の瞬間」といい、これを飲むと2時間から3時間、秘密に…

ヘッドハンターズ

「ハッドハンターズ」ジョー・ネスボ。 週末はいきなり冷たい雨が降り続いた。それまで、夏の続きのような陽気だったから、愛猫もびっくりである。仕方ないのでストーブをだしてやったら、喜んで寝転んでいる。こっちも一緒にストーブにあたりつつ、北欧のミ…

書店主フィクリーのものがたり

「書店主フィクリーのものがたり」ガブリエル・ゼヴィン。 2016年本屋大賞を受賞した作品。本屋大賞は、文字通り書店員が投票によって選ぶ本である。私見では、年間でもっとも栄誉のある賞のひとつである。なぜかというと、書店員という仕事は、重労働で…

地球の静止する日

「地球の静止する日」ハヤカワSFのアンソロジーである。映画化された短編小説の原作を収めてある。以下の作品が収録。「趣味の問題」ブラッドベリ「ロト」ウォード・ムーア(性本能と原爆戦 原作)「殺人ブルドーザー」スタージョン「擬態」ドナルド・A・ウ…

思考機械の事件簿1

「思考機械の事件簿1」ジャック・フットレル。 本書を買ったのには、個人的ないわくがある。私は、あるところで短編ミステリの歴史的名作「13号独房の問題」を知った。何人も脱出不可能と言われた刑務所の第13号独房に、ヴァン・ドーゼン教授が「不可能…

逆説の日本史 近世爛熟編

井沢元彦の「逆説の日本史」シリーズは大変おもしろく、書店で見かけるたびに買い求めては週末に読んでいる。といっても、熱心な読者というわけでもなく、見かけたら買う、くらいである。 このシリーズは、実は第1巻の「古代黎明編」が秀逸だと思う。いまだ…

エレノア・オリファントは今日も元気です

「エレノア・オリファントは今日も元気です」ゲイル・ハニーマン。 英国で2017年にデビュー作として上梓、なんと220万部を売り上げたという作品である。220万部がすごい、と思うが、よく考えたらさらにすごい。だって、英国の人口を考えてみればわかる…

島燃ゆ 隠岐騒動

「島燃ゆ 隠岐騒動」松本侑子。 隠岐島は、かつて後醍醐天皇が流されて鎌倉幕府打倒のため脱出されたことは有名だし、その前にも後鳥羽天皇が流されている。後鳥羽天皇は、そのまま隠岐で亡くなられた。そのため「怨霊」となった、とされる。後鳥羽院は、も…

コリーニ事件

「コリーニ事件」F・シーラッハ。 ドイツの大物機械制作会社の会長、ヨハンがホテルでジャーナリストを自称した男、コリーニに殺される。 死体は銃弾を撃ち込まれたあと、犯人の足で頭を砕けるまで蹴られていた。 犯人のコリーニはホテルの1階に降り「人が殺…

プリズン・ガール

「プリズン・ガール」LS.ホーカー。 主人公のペティは3歳のときに母をなくして、父と二人で18年間生きてきた。父の教育はずいぶん風変わりで、ペティを射撃や護身術、ランニングで厳しく鍛え抜いた。彼女は学校にすら行っておらず、家は隣家まで20kmもあるよ…

航空宇宙軍史1 完全版

「航空宇宙軍史1 完全版」谷甲州。 航空宇宙軍史は谷甲州の代表作ともいえる連作である。舞台は未来で、人類が太陽系への植民を開始していばらく経ったころ。地球-月連合という、いわば「本国」と「外惑星連合」という「植民地」の利害が対立し、やがて戦争…

ビール職人の醸造と推理

「ビール職人の醸造と推理」エリー・アレキサンダー。 毎日暑い日が続く。こういうときは、冷たいビールを飲みたくなる。しかし、今は緊急事態宣言中であるので、外で飲むことはできない。よって、自宅でビールを飲みながらミステリでも読もう、と思って手に…

ときどき私は嘘をつく

「ときどき私は嘘をつく」アリス・フィーニー。 冒頭から、主人公のアンバーは事故にあって病院に収容されたようだ。彼女は地元ラジオ局のアナウンサーをしていた。そして、ある日、事故にあった。主人公に、事故のときの記憶はない。意識はあるのだが、手を…

ホームレス歌人のいた冬

「ホームレス歌人のいた冬」三山喬。 リーマンショックを引き金として派遣切りが横行し、年越し派遣村ができて麻生内閣は立ち往生。思えば2008年はたいへんな年であった。その2008年に、レベルの高さで知られる朝日新聞の短歌欄「朝日歌壇」に、公田耕一なる…

革命前夜

「革命前夜」須賀しのぶ。 舞台はベルリンの壁崩壊前夜の東ドイツ。日本人のピアニスト眞山はドレスデンに音楽留学する。同学年には、天才的で自由に引きまくるヴェンゼルや教科書的な楽譜にあくまで忠実な演奏をするイェンツらがいた。ともに才能にあふれた…

殺人ドライバー

「殺人ドライバー」沼沢章。副題は「くるま社会ニッポンのタブー」 昨日、都議選における都民ファーストの戦いを賞賛したところ、直後にとんでもないニュースが発表された。 なんと、板橋区において当選した木下富美子都議が、交通事故を起こしており、しか…

宇宙消失

「宇宙消失」グレッグ・イーガン。 最近は酒を飲むとすぐに眠くなってしまうという、明らかな老化現象が起きている。みうらじゅんいわく、こういうのを「老いるショック」というらしい。ぎっくり腰も五十肩も老いるショックだ。私は、爺ショックかと思ったが…

わたしを探して

「わたしを探して」J・S・モンロー。 消防設備士試験の勉強の合間に読み始めた本である。これは大事な要素である。つまり、あんまり面白そうだといけないのだ。止まらなくなっちゃうから(笑)で、書棚の積ん読の中から、なるべくつまらなさそうなやつを選ん…

限界国家

「限界国家」毛受敏博。副題「人口減少で日本が迫られる最終選択」 少子高齢化ということについて言えば、すでに勝負はついているわけである。合計特殊出生率が2を切る状態が長く続けば当然なのだが、それ以前に、すでに子供を生むことのできる女性が減って…

ロンドン狂瀾

「ロンドン狂瀾」中路啓太。 ロンドン軍縮会議は、ワシントン軍縮会議に続いて戦前、五大海軍国によって開催された軍縮会議である。ワシントン軍縮会議は主力艦の比率を、日本が対米六割に決定されて妥結したのだが、その後、日本海軍は条約外の補助艦(巡洋…